多汗症について
人は程度の差こそあれ、誰でも汗をかく。多汗症だと思って病院に行っても、「病気ではない」と診断されることも多いだろう。多汗症の本当の原因は緊張した時に汗を促す交感神経が過敏すぎることにある。ただし、下記のような病気と関連している場合があるので、一度は病院で見てもらうのがいいだろう。その場合は担当医に次の病気の可能性があるかどうかも忘れずに尋ねよう。
「手・足」:字を書こうとしたら紙が汗で破けてしまう位濡れる、または破けてしまった。仕事で握手しなければならない場面で、手の汗が気になって失礼をしてしまった。体からはあまり汗がでないのに、手のひらや足の裏に大量に汗をかくのが精神性発汗の特徴で、手掌足跡多汗症と呼ばれる。
「顔」:スーパーのレジなどでも人前に出ると汗が吹き出てしまうなど。いつもハンカチやタオルが手放せない。
「ワキ」:見えないところだけに、汗とりパットなども使用できるが、汗をかいた後の服の処理、においに悩まされる人が多い。
多汗症の手術
多汗症の手術は精神性発汗の場合健康保険が適応できない。すべて自己負担、自由診療になる。
手術には薬物療法とイオン浸透法、手や足には胸腔鏡下交感神経切除や腰椎への交感神経をブロックする手術もある。薬物療法は精神安定剤や制汗剤などで不安を和らげ一時的に汗を抑えるものだ。
イオン浸透法は局部にイオンを流し、汗を作らせないようにする。副作用はないが、1週間に1−2回程度、継続しての治療が必要となる。
局所の多汗症手術をした場合、術後に手術した場所以外から汗がでる代謝性発汗が起こることもあるので覚えておきたい。
最近で注目されているのはボトックスを注入する方法だ。ボトックスは交感神経の元となるアセチルコリンの放出を止めることによって発汗の機能を抑制する。半年毎の定期的な注入が必要となる。
心身療法
精神的なものが原因かもしれないと思う人は心身療法を試してみるのもいいだろう。「人前が苦手」「人の視線が気になる」「あがり症」など。もしかしたら心の病が原因かもしれない。
自律訓練法はドイツの精神医学者J・H・シェルツ教授が始めたもので、リラクセーション法のひとつだ。心療内科や精神科でも一種の自己催眠療法として用いられる。大きな特徴はわずか数分で全身をリラックスさせることができ、心だけでなく、体の疲れがとれてスッキリする。手順に慣れてしまえば、椅子に座ったままでもできる。手術を考える前に一度ぜひ試してみてはどうだろうか。